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第97回白日会展

「朝」M150号、キャンバスに油彩、2021年制作、原太一作
「朝」M150号、キャンバスに油彩、2021年制作、原太一作
会場風景、新国立美術館
会場風景、新国立美術館

第97回白日会展に出品しています

 

大作一点を出品しております

 

会期:2021年3/17(水)~3/29(月)
    ※3/23㈫はお休みなのでご注意ください

時間:10:00~18:00
 最終日は15:00閉場
(入場は閉場の30分前まで)

入場料金:一般800円、学生/子どもは無料
*学生証をご提示下さい。障害者手帳提示の方、付き添いの方1名まで無料

会 場:国立新美館 (東京メトロ乃木坂駅六番出口に直結) (2A,2B,2C,2D)

 

 

沢山の力作、秀作が何百点と並びます。

お近くに来られた際はよろしくお願いいたします!

 

※原太一の作品は第二室に展示されています。

出品作の「朝」について

 

「朝」は、私が近年連作しているニューヨークシリーズの新作です。

 

モチーフとなっている場所は、マンハッタンのSOHO地区に実際にある場所で、その時に撮影した写真を元に描きました。スペイン料理屋さんです。

 

この作品の主題を言葉にすると「朝の光とそれによって浮かび上がった街角の情景」でしょうか。

 

写真をそのまま写すのではつまらないので、より主題が強く表れるように構成し直しています。

この光景を目にした時の感動を増幅させ記録しようと試みました。

 

余談ですが、右上の看板にはピーター・ドイグ氏の” Rain in the Port of Spain (ポート・オブ・スペインの雨)"に登場するライオンを引用しました。

作品の構図に大きな共通点があることや、このライオンは原画の中で自由の象徴として捉えることが可能で、ニューヨークという可能性に満ちた街にあるのも相応しいと感じたこと、何よりも生の作品に触れ感動した体験があったことから引用することを決めました。

 

この引用から連想したのですが、、

近年のアメリカにおける人種間の対立など自由が脅かされるような状況は、看板に図像化され(ある意味)閉じ込められてしまった(原画では、監獄に見える建物の外側を闊歩しており自由の象徴である)ライオン、コロナで人気のない街などの状況が、作者の最初の意図から発展して絵に現れているように感じました。



部分図、並んでいるビンに当たる光にこだわりました
部分図、並んでいるビンに当たる光にこだわりました

巡回展、選抜展など

☆地方巡回展に選んでいただきました

 

 六本木での本展が終わったあと、下記の会場でご覧いただけます

 

 ・「名古屋展」 4/13(火)~4/18(日) 愛知芸術文化センター8F/愛知県美術館ギャラリー

 ・「関西展」 5/31(月)~6/6(日) あべのハルカス近鉄本店 ウィング館8F近鉄アート館

 ※スペースの都合上飾られない場合があり、どうなるかは実際に飾り付けてみないと分からない部分があるとのことです

 

 

☆白日会若手選抜展「明日の白日会展」(8月に日本橋高島屋さんで開催) に選んでいただきました

 

会期が近づきましたら、ブログでお知らせさせていただきます。

50号の作品一枚と10号以下の小品一枚、計二枚を出品します。

 

 

☆賞候補に選んでいただきました

 

自分でも気に入っている作品なので嬉しいです。

 

賞候補とは賞を決める最終審査に選ばれたという意味ですが、最終的に届かなかったので悔しくもあり、、、ただその気持ちは次回に繋げたいです。

 

 

☆準会員から会員へと推挙していただきました

 

ひとつの目標である会員になれたことはとても感慨深いです。

会員とは何かと思われた方がいらっしゃるかもしれません。白日会や日展などの公募団体展の仕組みは特殊なので、一般の方にわかるよう説明を試みた記事があるので、もしご興味あればコチラをご覧ください(執筆中)。

 

 

評価していただけたことは本当にラッキーでした。光栄です。

これからの制作に対するモチベーションが上がりました。

 

次もがんばろうっ!!

 

国立新美術館は東京メトロ千代田線乃木坂駅6番出口出口に直結しています
国立新美術館は東京メトロ千代田線乃木坂駅6番出口出口に直結しています

作品に対する批評

朝への評論


 原氏の絵は人の気配のあるホッパーというか、あるいはロックウェル的なのか、そういう佇まいがある。ロックウェルよりはトーンは軽めで色彩も淡く、それが明快で心易い印象を与えている。

 アメリカの近現代絵画には、しばしば描き手の自己と描かれた光景との間に断絶というか疎外感というか、相互に拒絶しあう気配があって、そのために絵を観る者が容易に絵に感情移入できない、画面からは画家の苦悩と観る者をまごつかせるような拒絶、神経を逆なでされる感覚が放射されている。その翳りはかえって魅力的だったりもするけれど、原氏の絵は明るく、フレンドリーな気配を感じる。

 つまり、この絵を観た人は、──デリの前に原氏が立って新聞を読んでいる。デリの壁にもたれ、朝の日差しを浴びている。私は、原氏を横断歩道の手前でみかける。横断歩道は赤で、青になったら進んでいくだろう。ついでに原氏に挨拶でもしようか……、──と考える余地がある。この場面では原氏は風景から拒絶されていない。見る者も画面の奥に行くための通り道が準備されていて、拒絶がない。そういう雰囲気の差がある。


2021.4 市原氏による批評